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福岡高等裁判所 平成2年(行コ)2号 判決 1990年8月09日

福岡県遠賀郡遠賀町上別府蓮角九八七番地三

控訴人

力武忠裕

右訴訟代理人弁護士

元村和安

福岡市博多区博多駅東二丁目一一番一号

被控訴人

福岡国税局長

塩田薫範

右指定代理人

大脇通孝

坂井正生

中野良樹

木原純夫

山崎元

白濱孝英

右当事者間の処分取消請求控訴事件について、当裁判所は次のとおり判決する。

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

一  控訴人は、原判決を破棄し、さらに相当の裁判を求め、被控訴人は、主文と同旨の判決を求めた。

二  当事者双方の主張及び証拠の関係は、次のとおり付加するほか、原判決事実摘示のとおりであるから、これを引用する。

「控訴人は、当審において、仮に原処分庁が若松税務署長であるとすれば、予備的に被控訴人を同署長に変更する。と述べた。」

理由

一  当裁判所も、控訴人の本件訴えは、不適法として却下すべきものと判断するもので、その理由は、次のとおり付加するほか、原判決の理由説示と同一であるから、これを引用する。

二  控訴人は、当審において予備的に訴えの相手方を若松税務署長に変更する旨主張する。

しかし、行政事件訴訟法一五条による訴えの当事者の変更の申立は、その性質上確定的になされることを要し、仮定的、予備的な変更の申立は同条の予定しないところと解すべきであるから、失当であり控訴人の右主張は採用できない。

三  よつて、原判決は相当であつて、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、控訴費用の負担につき民訴法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 鍋山健 裁判官 松島茂敏 裁判官 湯地紘一郎)

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